私はしばしば大自然の中に赴き、写真を撮ってきた。そこには雄大な風景や、精巧な動植物の姿がある。
人間による開発は、そうした自然のかたちをしばしば損ない、変えることから自然保護の必要性が唱えられている。
しかし私は、都会の人工物のあいだにも、小さいながら確かな自然の美しさを見ることがある。コンクリートの隙間や壁面の湿りに、苔や雑草はいつのまにか根を下ろし、ふたたび野生の造形を立ち上げている。
はたして人間は自然を破壊しているのだろうか?そもそも自然とは人間の活動を含めた、ずっと大きな営みなのではないだろうか?足もとの植物を見つめながらそんなことを考えてみた。
紅露 拓





